twitter 140字小説 作品置場 (2021年)

twitter(@fd7chu)にて不定期に挑戦しています。夢主の名前は登場しません(ネームレス)ので、名前変換はありません。一部キャラ名うやむや。下の方が新しいです。
本ページの他、[携帯版]や[pixiv]にも掲載していますが、更新が遅いため[twilog]もおすすめです。

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お題箱:サイン会 (2021.01.03)

賑わうステージ前、伸びる待機列。ずらり並んだ選手達によるサイン会。高鳴る心臓を宥めるように「お疲れ様です」冷静を装う。「お、毎度。新作あるぞ」すらすらとサインし「おまけ。いつもありがと」手渡された新ステッカーには私の名前とハートマーク。「ありがとうございます!」感情のままに大声。

(PUI PUI モルカー/BUI BUI 鉄カー) (2021.01.12)

エレベーターが地下ガレージに到着。瞼を擦り〈愛車〉のもとへ歩を進める。私の足音に気づいたのか「ぷい!」と一声。「おはよ」もふもふ撫でてやると嬉しそうに幾度か鳴いた。「元気そうね。帰りにドライブしようか」了解、早く行こうとでも言わんばかりに飛び上がり乗車を促す。「今日もよろしくね」

(PUI PUI モルカー/BUI BUI 鉄カー) (2021.01.13)

正午のチャイムに席を立ち、向かうはビル内駐車場。愛車が指定区画で私を待つ。可愛い鳴き声にハイハイと返し、モル用弁当を差し向ける。嬉しそうに葉物を頬張る姿を眺めていたら自分の空腹を思い出した。愛車でお昼食べて、スマホ触って、午後の始業ギリギリまで昼寝。大変有意義な昼休憩の過ごし方。

ピース記念日・たばこの日 (2021.01.13)

「ごめん。煙草臭いかも」待ち合わせから5分後。乗り込んだ助手席で首を振る。煙草よりも強く感じる知らない香り。前と違う香料は明らかに女性もの。嫉妬も詰問も私には似合わず許されない。なにがPeaceだ。自嘲めいた笑みはマフラーに隠匿。「待った?寒かっただろ」大きな掌、右手に重ねられて陥落。◇「気遣わなくていいのに」チェックインと同時、差し出した煙草。「ありがとう」優笑。取り出して、火をつけて、吸っているとき。私のことをほんの一瞬でも想ってくれるのなら安いもの。なんて、彼にはとても言えないけれど。「銘柄変えたら教えて」「変えないよ。俺一途だから」苦笑の唇を塞ぐ口づけ。

「忍者と極道」オンリーイベント【生首赤絨毯】展示作品 (2021.01.17)

ぷらいべったー(外部リンク)に掲載。文庫風味スクショ

お題箱:サイン会 (2021.01.18)

「僕の方が毎度ですけど!」ツンと唇を尖らせる若手選手。「なに張り合ってるの」「僕の最初のファンだから、世界で一番僕のサイン持ってるんだよ。ね?」にっこり差し出すサインカード。私だけに向けられた笑顔はまるで秘宝。「可愛いの権化」「まーた意味わかんないこと言ってる」呆れ声でお見送り。◇「お疲れ様です。サインお願いします」手元のカードへ黙々ペンを走らす彼。ほんの一瞬視線が交錯した。「……お体、ご無事でよかったです」途惑い、ぽつり、溢れた言葉。「メカが総出で明日の練習走行までに直す。応援してくれるよな?」「もちろん!」「そりゃ心強い」不敵な笑みとカードを受け取る。

(PUI PUI モルカー/BUI BUI 鉄カー) (2021.01.20)

夢をみていた。懐かしくも痛ましい夢。無機質なアラーム音に勢い良く上体を起こした途端。今は昼休憩、ここは職場ビル内駐車場。愛車の中に居る自分に気づいた。柔らかな車内に触れて不規則な鼓動を落ち着ける。愛車は全身を震わせて細く鳴き、こちらを心配しているようだ。月命日。呟き私は息を吐く。◇車外へ出ると、愛車は私を見つめ今にも泣き出しそうに震えていた。そっと車体に触れると心配してくれていることが指先から伝わり、愛しさが込み上げてくる。「大丈夫だよ。帰りまで待っててね」返事代わりの鳴き声に目を細めた。仕事が終わったら花屋とコンビニに寄ろう。行先は、愛する人が眠る場所。◇モルカーが一般に普及し始めた頃、私はちょうど鉄カーの買替を考えていた。助成金や会社の補助もあり、早々にモルカーオーナーとなった。艶々の毛並、誇らしげに並んだモルカー達の中から「こいつの目、お前に似てる」新しい愛棒を選んでくれた彼。もう私の傍には居ない。花を立て、線香に火をつける。◇明け方起きた、鉄カー同士の事故。大学時代からの愛車には何度も横乗りさせてもらった。競技仕様に近く、限界まで軽量化した車体が居眠り運転の大型車輌に敵うはずもなく。現場に残されたブレーキ痕は彼のものだけ。墓前に置いた煙草を手に取り「また値上げしたのよ。これで何度め?」フィルムを剥ぐ。◇通話履歴最上部に私の名。警察からの電話で事故死を知った。最後に彼と話したことは何だったかな。いつまで鉄カーに乗るつもり、と聞いたんだ。モルカーも結構いい車だよ。『俺は死ぬまでシルビア一択』いつもの流れで解散し数時間後にひとりで逝くなんて。本当は、今でも信じたくない。煙草を咥える。◇「美味しくはないわねえ」深く吸い込んでも以前のようには咽せない。缶飲料のプルタブを起こし花立の前へ配す。新たに取り出した煙草、自分の吸い止しから火をつけ線香の隣へ。棚引く煙をぼんやり眺めた。「夢に出てくるなんて珍しい。どうしたの」彼との逢瀬は月に一度。供えた煙草が灰に変わるまで。



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