twitter 140字小説 作品置場 (2019年)

twitter(@fd7chu)にて不定期に挑戦しています。夢主の名前は登場しません(ネームレス)ので、名前変換はありません。一部キャラ名うやむや。上の方が新しいです。
本ページの他、[携帯版]や[pixiv]にも掲載していますが、更新が遅いため[twilog]もおすすめです。

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2019年12月top


#冬という言葉を使わずに冬を一人一個表現する物書きは見たらやる (2019.12.14)

息が白い。視線を向けた先に彼の車。助手席ドアが開けられ「お待たせ」笑顔が咲く。ぬくぬくの車内。シートへ腰を落とすと髪へ優しく掌が触れた。「寒かったろ。店ん中で待っててくれてよかったのに」「あっためてくれるんでしょ?」


2019年11月top


陽のあたらない部屋 (2019.11.23)

自分より年上の男性を「かわいい」だなんて、本人は嬉しくないのだろうけど。無防備すぎる寝顔にはやっぱり「かわいい」としか言い様がなくて困る。肩を揺すって「6時だよ。起きる?」お手本みたいな生返事。薄暗い照明。存在の輪郭さえ曖昧だ。「すき、」迷いを少量含んだ言葉は彼に届いただろうか。

これは紛れもない欲望なんだ (2019.11.20)

「どこか行きたいとこないの」運転席から放られた問いに心の奥で深い〈意味〉を期待してしまう。測りかねた距離には気づかないまま。「ない。けど帰りたくない」このままふたりで居られるならなんにもいらない。帰りを待つひと。明日の仕事。全て忘れられるなら。「帰さないよ」不意に右手を包まれた。


2019年10月top


奥山広也 (2019.10.22)

「奥山くん」柔い呼びかけに振り向いた。「ごめんね、待った?」「待ってない。謝るならそこじゃない」小首を傾げ思案を巡らせているようだ。「名前で呼んでくれるんだろ」あ、と唇が動いて間も無く少しの決意を込めた声。「……広也くん」今はこれが精一杯といった表情でオレを見上げる恋人が愛しい。


2019年9月top


きらいって言わないで(好きじゃなくていいよ) (2019.09.06)

深夜の眠気と渋滞を紛らわすしりとり。後先考えず「すき」を言放った私は助手席で俯く他ない。「答え、決まってるよな」右隣からの優笑に視線を上げた。「黙ってキスするか『嫌い』の二択」想い人の綺麗な横顔に小声で問う「どっち」「んー。嫌い、だったらどうする」「い、今のナシ!」絶叫のち爆笑。


2019年8月top


甘い物が嫌い (2019.08.18)

「どうして黙ってたの」涙目で詰め寄られ胸が痛んだ。「甘い物が嫌いだって」俯く彼女が唇を結ぶ。「貰った物は食べるし、俺の為に選んでくれたら何でも嬉しいよ」でも。言葉を切ると不安気な視線に撃たれる。「会いに来てくれる事が一番嬉しい差し入れ。いつもありがとう」お返しは結果、小さな決意。

明ける夜ならいらない (2019.08.17)

微睡みが途切れたのはなぜだろう。枕元の携帯を持ち上げる。あと四時間。つけっぱなしのテレビを消し効き過ぎる空調の設定温度を上げた。薄ぼんやりとした照明がこの部屋には似合う。このままずっと夜ならいいのに。隣で眠るあなたとふたり、都合のいいところだけみていたい。叶わぬ夢ばかりみている。

マシュマロ:夢かと思った (2019.08.09)

夢かと思った。会いたくて仕方無かった彼が眼前に存在している事実だけで私は生涯幸せだ。「会、いたかったです」絞り出した声は無様に震えて。「ご迷惑でなかったら」差入れを突き出した両手、大きな掌に包まれ顔を上げる。「やっと目合わせてくれた。俺も会いたかったよ」神様。私、今日、死にますか?

マシュマロ:叶わぬ恋 (2019.08.03)

指輪。呟きは無意識のうち。「むくんで外れないんだよ」美しい苦笑と同時、突付けられた現実に打ちのめされそう。揺らぐ足元知らん振り。「いつもしてたらいいのに。奥様も喜ぶでしょ」照笑は誰が為の。「これ、よかったら」「いつもありがとう。頑張るから応援頼むよ」「まかせて」願いは勝利と栄光と。

#三日月図書館 花火 (2019.08.03)

「浴衣だ!」目を見張る推しへ袖と帯を見せ付ける。「似合う?」「似合う似合う!あれ出たらいーのに」「浴衣クイーンコンテストはRQちゃんが出るの」呆れて笑う。「オレが特別賞あげちゃう」振舞酒を浴びる程飲んでご機嫌、酔った推しを間近で見られるなんて最高か。着火のカウントダウンが始まった。

#三日月図書館 花火 (2019.08.03)

人混み、汗、虫。着慣れぬ浴衣も会心の化粧も崩れ、歩きにくい下駄で足を負傷。せっかくのデートなのにほろ苦い思い出ばかり。写真の私は上手く笑えていない。「中継始まるよ」リビングから呼ばれると同時にタイマーが鳴る。「今行く」味見は合格、枝豆をザルにあげた。自宅での花火鑑賞は快適の一言。


2019年7月top


伝え切れなくてもどかしい (2019.07.30)

手には紙袋。お菓子と手紙とアイマスク。幾度か深呼吸。「お疲れ様です」ピットを覗くとメカさんが笑顔で迎えてくれる。「お渡しお願いしても」「直接渡してやって」名を呼ばれ、のそりと姿を現した推し選手。言いたいことがたくさん、たくさんあった筈なのに。「いつもありがと」涙が前に出るほどの。
「お前!ファン泣かすなよ!」「誤解!オレまだなんもしてねえよ!」泣きながら紙袋を突き出し「会えて嬉しい」辛うじて笑んだ。「調子どう?」「絶好調。運気分けてもらうな」ポンと肩を叩かれ、その手は彼の頭頂部を撫でる。「ご利益ありそ」「がんばろうね。応援してる!」交わす笑顔をどうか力に。

マシュマロ:今日のパンツ何? (2019.07.25)

「今日のぱんつ何?」思いつきがすぐ口から出る癖。問いを放られた推しは暫し考える素振り。立ち上がるとこちらへ背を向け、Tシャツを捲り上げて俯いた。振り向きざま「黒の無地」報告とご開帳。「私のプレゼントは穿いてくれないの」唇を尖らせた抗議へ「大事な勝負の時だけ」返されたのは照れ笑い。

#言葉の行方 傘の下 (2019.07.17)

単走どうだった?背中で彼が問い「2セクでビビってた」漏れる苦笑。「追走は」「厳しいよね。速度域が別次元」隣を見遣ると無敗の王者が投げキスを寄越す。「ジャイアントキリングか。燃えるな」「本当に勝つ気なの」「当然。勝利の女神は俺のもんだ」熱視線に撃たれ頬が緩む。傘の下ではふたりきり。

#言葉の行方 秘密の逢瀬 (2019.07.14)

いつもの待合せ場所、いつもより深い時間。腰を落とした助手席、シートの角度が違う。誰を乗せたか想像は容易い。程無く着いたいつものホテル。部屋の扉は私の背後、古びた音で閉じられた。「会いたかった」返答は爪先立ちのキス。今日が最後の逢瀬。消えゆく覚悟に目を瞑る。二度目のキスは長く甘く。

マシュマロ:大会に同行する(続き/機材車) (2019.07.13)

「寝てていいから」「もったいなくて寝れません」推しメカニックの横顔を見つめる。「追い越すよ」スマホを構えると前方の積載車に並び、推し選手からのお手振りが私だけに向けられた。「撮れた?」「撮ってます!動画!」「ごめん俺の声」「嬉しいです最高!」運転席から笑いを堪える吐息。

マシュマロ:大会に同行する(続き/積載車) (2019.07.13)

きょろきょろ見回す。右を向けば推し選手。後ろを向けば推し機。助手席に〈よじ登った〉のは人生初。指先で眉間に触れた。「酔ったか」「情報量が多い」「吐く?袋そこ」慌てて否定すると信号待ちの車内で視線が交錯。「どした」「お顔が天才」「惚れ直せ」会う度好きになるって言ってもいい?

マシュマロ:大会に同行する(続き) (2019.07.11)

「早いな。おはよ」集合時間5分前。夜明け間近の空は深海に似た瑠璃色。「おはようございます。お世話になります」頭を下げるとスタッフさん達から「はよー」上がる声。店舗前ベンチへ促され積込作業を眺める贅沢な時間。「お待たせ。どっち乗るか決めた?」軍手を外し彼が問う。選択の時が来た。

マシュマロ:大会に同行する(続き) (2019.07.08)

「予選落ち。カッコわりぃ」言いたい事が沢山あった筈なのに。泥塗れの車体、外れた部品を見下ろす。慰めの言葉なんて何の役にも立たないと知っているから唇を結んだ。「何でお前が泣くんだよ」「悔しい……」苦笑混じりの「ごめんな」に首を振る。「次も応援する」「サンキュ。次は嬉し泣きだ」


2019年6月top


マシュマロ:大会に同行する(続き) (2019.06.25)

「いま決めないとだめ?」辛うじて返す問掛け。ピットから彼を呼ぶ声。「当日までに考えといて」こちらへ手を振るツナギ姿のチーフメカさんへお辞儀。「後で連絡する」下げた頭を上げきらないうち放られた囁きと「いつも差し入れありがと。お礼にカッコいーとこ見せっから」不敵な笑みが心を揺さぶる。

#言葉の行方 愛するあなたへ (2019.06.16)

あなたとの約束は希望に似ていた。セミロングの髪。シンプルなネイル。ナチュラルなメイク。あなたの好みに近づこうと躍起になり、いつしかわたしは自分を見失う。他の誰でもないわたしはわたしのために生きることを忘れていた。前を向いて歩こう。わたしはあのとき全力で、あなたのことがすきでした。

マシュマロ:大会に同行する (2019.06.14)

「次の大会、アシ決まってんの」推し選手からの唐突な質問。理解が追いつかない。「まだだよ。どうして?」「いつも会場まで電車って言うから。狭いの我慢できんなら乗ってけば」「有難いけど迷惑じゃない?」「全然。積載車と機材車どっち乗りたい?」突きつけられた究極の二択に言葉を失くす。

#三日月図書館 雨 (2019.06.12)

「傘、後ろでいいですか」「ああ。何、わざわざ袋入れてんの」「濡れちゃう」「気にしてくれんだ。いーんだよこんなボロ」曖昧な笑みを返し助手席へ着座。握られた右手。「ほんと優しいよね。俺、そういうとこも好き」誰にも言えない秘密のデート。傘で涙も隠せるのなら、ずっと雨が降ればいい。

マシュマロ:尊敬・応援→恋愛感情 二宮大輝 (2019.06.08)

「オレお前に何かしたか」不機嫌に見つめられ俯く。気が置けない男友達のような何でも話せる関係。感情任せの横乗り批評は案外役立つらしく、EK9の助手席は私の指定席だった。違う、それだけ言いたくて顔を上げると交錯する視線。私が勝手に、大輝を好きになってしまったせいで「ごめん」声が掠れる。
友人の様子が以前と違う、気づいたのは最近。横乗りを断られるとは思わなかった。仕方なく後輩を乗せるも萎縮されてイマイチ調子が出ない。助手席で楽しむ彼女が居てこそ自分も楽しく走れていたのだと。「オレお前に何かしたか」向かい合い詰るような口調を後悔。俯かせてしまった事実に後悔を重ねる。

マシュマロ:悲恋 (2019.06.07)

待ち侘びた逢瀬は数時間で仕舞。今度いつ会える?週末の予定は?私のこと好き?聞きたいことは沢山あるのに何一つ問えずに居る。嘘が前提の不健全な関係、一度途切れてしまえば次は無い。舌の上、煙草の苦みは知った味。ここでは涙流さない。恋い焦がれるほどさみしくて、かなしくなるのはなぜですか。

マシュマロ:三次元 (2019.06.05)

『泣いてる?』通話中放られた何気無い問掛けに息を飲んだ。抑えていたつもりの吐息が震えていること、伝わってしまったのだろうか。結んだ唇をゆっくり開く。「まだ泣いてないです」声を聞けて嬉しくて泣くなんて、感情の振れ幅が大きすぎでは。『会いたいね』「ずるいです泣く!」宣言通り滂沱の涙。

#言葉の行方 夢うつつ (2019.06.02)

お揃いのシャンプー、香水。それでも同じ香りにならないもどかしさが愛おしい。布団に潜り込み途切れないLINEを読み返す。どこまで遡っても、冷静な彼と浮かれた私が居るだけ。時折覗かせる温もり。同じ箇所でいつも指が止まる。確かな名の無い曖昧な関係。今夜夢で会いたいと願うことは許されますか。


2019年5月top


溺れるように恋をしていた (2019.05.26)

水底から伸ばす手は救いを求めて幾度か震え、枕の端を頼りなく掴む。声を漏らさぬよう結ばれた唇。それでも抽送の度零れる甘い声、とうに外れた理性の箍を嘲笑うかのように耳を脳を深く侵す。酸素を求めたか僅かに開いた途端、唇を押し付け舌を割入れ歯列をこじ開ける。涙目で見つめられては白旗間近。
彼の隣で深く眠れないのは帰る場所が私じゃないから。罪悪感と優越感の狭間、放り出された左手に指を絡める。指輪の痕には気づかないふりを。隣に居たいと願う事が罪になるのなら、私はそれを受け入れ裁かれる他に無い。あと2時間だけ、誰より近くに居させてください。ちゃんと笑顔でバイバイするね。

マシュマロ:庄司慎吾 (2019.05.17)

「結婚するか」ロマンチックとは程遠いプロポーズ。驚きより嬉しさより腑抜けた笑いが込み上げた。「なんで今?」軍手で額の汗を拭う。「わかンねぇ」いつもは根拠の無い自信に満ち溢れた慎吾の頼り無い呟き。「思いつきにしては重たいけど。私と一生添い遂げる覚悟あんの」「ある」即答にキスで返事。

#推しとのLINE (2019.05.14)

日付が変わり、入眠準備は万端。アラームをセットしかけた指が宙に浮く。通知に表示されたメッセージは想い人からのもの。夜勤中なのだろう。互いに独り言を放るような、ゆったりとしたペースで続く穏やかなやり取り。二人の歴史を何度も読み返し、ホーム画面と行ったり来たり。ああ、どうかこれ以上、私の心を奪わないで。

誕生日 北条豪 (2019.05.13)

夢の淵で微睡む。手の甲、そして指先へ触れたもの。彼の唇だと確信。頭を持ち上げると少し驚いたような早口で囁かれた「誕生日おめでとう」。「日付変わったの」「ああ、さっき」「待っててくれたんだね、豪」何の気なしに呟いた私の言葉へ照れ笑いを返す愛しいひと。伸ばした指が髪を梳き頬を撫でた。

栃木馬鹿祭り (2019.05.07)

「今大会を制したのは!」MCが叫ぶ優勝者。喝采を浴びて表彰台のいちばん高い場所へ立つ私の想い人。頂上で誇らしげにトロフィーを掲げた途端、弾けるシャッター音。ほんの数秒、彼と確かに目が合った。声にならない嬉しさが全身を巡り、堪えていた筈の涙が溢れだす。鳴り止まない拍手の海に溺れそう。


2019年4月top


私の名前を呼んで (2019.04.22)

汗ばんだ額の前髪を梳く指先。辛うじて抑えていた声が喉奥を震わせ愛しい彼の名を呼ぶ。余裕の無さを明白にしてしまう哀願めいた甘ったるい声に羞恥を煽られ瞼を伏せた。直後、耳元で囁かれた私の名前。びくりと全身が反応し近距離の視線を受け止める。繋がりを意識してしまえばもう、私の理性なんて。

欲を抱いているのは私 (2019.04.20)

チェックアウト予定時刻15分前。身支度を終え見下ろしたベッド、未だ深い眠りの中に居る彼の肩を揺する。寝息の速度は変わらず、薄く開いた唇へ紅い唇を重ねた。「ちゅー」呑気な声と共に幾度かの瞬き。「準備早い」「6時に出るんでしょ。シャワーは」「いい」気怠げな手招きと「もっかい」甘い誘い。


2019年3月top


その熱で溶けてしまえばいいと思った 高橋啓介 (2019.03.31)

駅前のロータリー、探す間もなく見つけた。暗くてもすぐ判る黄色いFD。ハザードを点灯させた車へ小走りで駆け寄ると助手席ドアが開けられ笑顔の啓介が迎えてくれる。「先週、都合つけられなくてごめんな」運転席から詫言。「我慢したよ」「おう。偉い」大きな手が頭を撫でる。私のこころを溶かす体温。

無題 (2019.03.04)

すきなひととのLINEを読み返す。堅苦しい敬語のなかに時折混じる絵文字。名前で呼んでくれること。まだ深くはない付き合いの、はじまりを覚えてくれていることがただ嬉しい。何気無く放られた「好き」をわたしは一生忘れない。たった二文字をこころに抱いて、わたしは生きていけるから。


2019年2月top


#140人140字 (2019.02.21)

「俺はお前を裏切らない」真横に結ばれ震える唇。強張った表情が徐々に和らいでいく。「周りにどう思われても関係ない。これからも応援してくれるよな?……なんで泣くんだよ」困り笑いの彼女が目元を拭い「行ってらっしゃい」差し出した愛用のグローブ。受け取ったのは心ごと全部。

マシュマロ:中里毅 (2019.02.16)

息が白い。冷えた空気の中で頬張る中華まんは冬のお楽しみ。もぐもぐの最中視線を感じた。愛車に預けていた身体を起こし薄暗がりに目を凝らすと、携帯をこちらに向けている悪友。「毅ー!撮ったでしょ!」飛ばした大声になぜか親指を立てられた。悪びれもせず「紅茶でいいよな」私の返答を待たず笑む。

マシュマロ:一日遅れのバレンタイン 中村賢太 (2019.02.15)

夢かな。眼前に差し出されている紙袋を見つめた。「甘い物苦手だっけ」訝しげに問われ、いえ!と大声。「めっちゃ好きです」慌てて受け取り「ありがとうございます」頭を下げた。「賢太には直接渡したかったの。遅れたけど喜んでくれて嬉しい」にこりと笑んで「義理じゃないよ」頼む、夢なら醒めるな。

マシュマロ:中里毅 (2019.02.12)

負けて悔しくて泣いて。ガキ臭いと嘲笑っても涙は一向に止まらない。毅が助手席からガソスタのティッシュをこちらへ向ける。毛羽立ち硬い一枚を引き抜き思い切り鼻をかんでやった。捨てたものは丸めたティッシュとくだらない自尊心。限界を決めるにはまだ早い。今の私に足りないものは覚悟と練習量だ。

マシュマロ:[特攻の拓]鮎川 真里 (2019.02.07)

傍らの穏やかな寝息。室温調節のため毛布から伸ばした手を強く握られ動揺。絡む指から伝わる熱情に気を取られているうち、顔をまじまじ覗き込まれた。薄暗い中でも判る、両瞳の渇望めいた光はこれから先を想像させるには充分な輝きで。「真里くん」羞恥と期待、潤んだ声さえ包み込む柔らかなくちづけ。

マシュマロ:庄司慎吾 (2019.02.07)

サークルの定例会。「お前オレのこと好きなンじゃねえの」居酒屋の隅、嘲笑混じりの紫煙に巻かれた私は口を滑らせ「大好き」2秒後には後悔。「嘘だよ!」ジョッキを呷り隣を盗み見ると神妙な面持ちの慎吾が煙草を揉み消す。喧騒の店内「抜けねえ?」小声の誘いが耳朶をくすぐり頷くほか何もできない。

マシュマロ:藤原文太 (2019.02.05)

卓袱台の上、一心不乱にミニカーを転がす息子。知らず笑みが浮かび湯呑を置いた妻が目敏く「なに」と問うた。「ケツ滑らせてやがる」「え〜拓海、いつの間にそんなの覚えたの」呆れたように視線を向け「文太君と私の子だもんねえ」呟いて立ち上がる。直後「ぶーぶ!」彼の愛車はオレの腕を登り始めた。

マシュマロ:選手とファンとして出会う (2019.02.04)

「どうぞ」笑顔で向けられたステッカー。私に?周囲を見回すけれど他には誰も居ないみたいだ。「ありがとうございます。あの、これ、よかったら」慌てて突き付けた紙袋「貰ってもいいんですか」驚いたように瞬いて私の名を呼ぶ彼。「僕、待ってますって言いましたよね」社交辞令じゃなかった。顔が熱い。
声をかけようか迷っているのだと感じた。撮影とデータチェックを終え、休憩しようと息を吐く。視界に入るのは先程も通りかかった女性。作業中だからと遠慮しているようだ。きっと連絡してくれた“彼女”に違いない。新品の束から一枚引き抜く。困惑を少量滲ませた彼女へ「どうぞ」差し出したステッカー。

マシュマロ:北条凛 (2019.02.04)

「りーん」猫でも探すような柔らかい声に呼ばれ、リビングへ顔を出すと妻がソファをぽんぽん右手で叩いている。隣へ腰を落とし、寄せられた温かな身体を抱き締めた。「まだ眠いか」「天気いいのに寝てたらもったいない。せっかく凛お休みなのに。ドライブ行こ」承諾で頷いて触れた、まるく愛しい腹部。

マシュマロ:車庫入れ 秋名スピードスターズ (2019.02.04)

ぷらいべったー(外部リンク)に掲載。

マシュマロ:舘智幸 (2019.02.04)

ベッドへ忍び込ませた身体はすぐに気付かれ「眠れないのか」恋人の腕が私を引き寄せる。「ごめん智幸。起こした?」視線を合わせようと頭の位置を調整し枕の上で向き合った。「いや」優しい否定。大きな掌が頬を撫で、束の間唇が触れ合う。「おやすみ」今夜世界が終わるなら、私の居場所はここがいい。



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