140字小説-2015年9月|


#深夜の真剣文字書き60分一本勝負:貴方のそんな声は知らない 二宮大輝 (2015.09.21)


#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
・お題:貴方のそんな声は知らない
・【頭文字D】二次創作
・女性主人公 夢小説 ※無名"夢主"のため名前表記・変換なし
・相手:二宮 大輝
・夢主設定:恋人

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待ち合せ場所で知らない声が聞こえた。先に着いていたらしい彼女は、二人の男達相手に何やら楽しそうだ。

「取り込み中悪いんだけど」

背後から声を掛けると彼等がゆっくり振り向いた。

「そいつ、オレと待ち合せなんで」

「大輝」

ほっと安堵したような彼女の声。

「用済んだか」

「うん。……失礼しますね」

頭を下げ、彼等の間を駆けてくる。



「大輝、もっとゆっくり歩いて」

後方からの焦り声に足を止めると、ようやく追い付いた彼女がオレの左手を取った。指先を絡めて握り返し、再び歩き出す。

「あんな猫撫で声聞いたことねえ」

「ええー……そうかなあ」

「ナンパに愛想よくする必要ないだろ」

「道聞かれただけだよ。そのあと、お礼にお茶でもって言われたけど」

「ナンパじゃねえか」

「そうなのかなあ……」

「おまえ、そうやってぽけーっとしてっから心配なんだよ」

「心配?」

「誰にでもついていくんじゃねえか、って」

「ちっちゃい子供じゃないんだから」

オレの心配をよそにけらけら笑い、繋いだ手を大きく振ってみせる。人の気も知らないで、呑気なやつ。溜息が零れた。



助手席へ彼女を促す。久しぶりの映画デートに機嫌が良いようだ。

「何時からだっけ。チケットまだ取ってないよね」

「……気が変わった。映画はまた今度」

予定とは反対方向へウィンカーを出した。きょとんとした彼女の様子は左へ視線を遣らずとも判る。

「どこ行くの」

「着くまで秘密」

今からベッドで、オレしか知らない声をきかせて。


(2015.09.21)



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