140字小説-2015年9月|


#深夜の真剣文字書き60分一本勝負:真夜中の秘密 舘智幸 (2015.09.04)


#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
・お題:真夜中の秘密
・【頭文字D】二次創作
・女性主人公 夢小説 ※無名"夢主"のため名前表記・変換なし
・相手:舘 智幸
・夢主設定:恋人

----------


「私、そんなに魅力ないですか」

真剣な表情で問われ真意を図る。

「どういう意味だ」

「えと……智さんがその、手を、出してくれないので。私たち、付き合ってるんですよね」

「――不安にさせたな。すまない」

ソファで向かい合うと恋人は身体を強張らせ、ぎゅっと目を瞑った。覚悟を決めたような仕草を愛おしく感じ、しばらく眺めているとこちらを窺うように瞼が薄く開く。すかさず唇を重ねると幾度か瞬いて、押し付けられた唇の感触をただ受け入れた。解放した途端、ぷあ、と大仰な呼吸音。

「息は止めるな」

くつくつ笑いながら〈続き〉へ手を伸ばす。

「待、ってください、」

呼吸が落ち着くまで、と続けたかったようだ。最後まで言い切らないうちに彼女の身体はソファへと沈む。


「智幸」


呼び掛けに瞼を開けた。

「寝るならシャワー浴びた方がいいんじゃない」

恋人が頬を上気させこちらを覗き込んでいる。いつの間にか微睡んでいたようだ。

「夢でもみてたの」

何故かと問えば嬉しそうに笑んで。

「私の名前、呼んでたから」

隣に身体を横たえベッドが緩く軋む。

「ここにいるのに」

「自分に嫉妬するようなものだぞ」

零した苦笑は唇にかき消された。翻弄するように軽く触れては離れを繰り返す。

「……随分巧くなったな」

「智幸のおかげ」

日毎膨らむこの想いは、胸に秘めたままにしておこう。


(2015.09.04)



140字小説一覧||0:top