140字小説-2015年4月|夢
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負:糖分補給はいかが? 岩城清次(2015.04.05)
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
・お題:糖分補給はいかが?
・【頭文字D】二次創作
・女性主人公 夢小説 ※無名"夢主"のため名前変換なし
・相手:岩城 清次
・夢主設定:恋人
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「女って、菓子食わねえと死ぬのか」
清次から真顔で問われ、私は目を逸らす。掌で包むマグカップには、甘めのカフェオレ。
「何の事やらわかりませんなあ」
「飴だのガムだのタブレット?とかいうラムネみてーなの、いっつも鞄に入ってんだろ。職場に置き菓子してるって前聞いたぞ」
「……鞄のは……エチケットだから。職場は……コミュニケーションの一環、かな。お客様とか他の部署の子とか……いろいろあるんだよ。ちょこちょこお土産頂いたりするからさ、もらいっぱなしってわけにもいかないじゃない」
「で毎日のように菓子食ってんだろ?それでよくヤセたいとか言えるよな」
テーブルへカップを置き「そりゃ痩せたいよ」と声を上げた。
「腹筋とかこう……六つとまではいかなくても、割れたらカッコイイよね?」
「おまえが腹筋割りたいとか初めて聞いた」
「……言えるわけないでしょ、恥ずかしい」
ふんと清次が息を吐く。
「オレだって、ダイエットしろだの菓子は一切食うなだの言わねえよ。とりあえず食った分は動けばいいんじゃねえの、ジムでも何でも」
「スポーツジムかあ……」
「会費払って、元取るつもりで通い詰めたらどうだ」
「んー、プールなら……。あ、でも近所走るだけならタダでしょ」
「そりゃそうだ」
「じゃ一緒に走ろうよ」
「なんでオレが、」
「清次だって普段は運動不足なんじゃないの?週末くらい、ガッツリ走ったっていいと思うけど」
一瞬、言葉に詰まったところを私が見逃す筈無い。
「ランニング用のウェアとシューズが必要だよね。何色にしようかな……いっそお揃いにしちゃう?」
「おい、今から探しに行く気か」
「思いついたから。どうせ今日だって夜まで予定入れてないんだもん、いいでしょ」
「いいけど……おまえの買物、長えんだよなあ……」
「そうかな?フツーだよ、たぶん」
じとりと睨まれ肩をすくめた。急いで出掛ける準備をしなくちゃ。
休憩を兼ねたおやつの時間。カフェの片隅で向かい合う。
頑なに『ケーキセット』を薦める私に、普段ケーキなんか食べない清次は「あんまり甘くないやつ」と条件を出し、選択権を寄越した。
メニューに並ぶ色とりどりのケーキから、私が選んだものはダークチョコレート。美味しそうだから、今度自分でも作ってみようとこっそり決意。
「甘いもので一息つくって、どんな感じ?」
コーヒーとケーキをきれいに平らげた清次へ問う。満足気な表情から、答えは予想出来たけれど。
「……ま、分からなくはない、ってとこだな」
「帰り、運転変わろうか。疲れたでしょ」
私の提案を聞いた清次は驚いたように「何だよ」と呟いた。
「サービスいいな、どうした」
「付き合ってもらったからね。このくらいは」
「そうか。でも、疲れたってほどじゃねえよ。気持ちだけありがたく受け取るぜ」
「じゃあ次はキープしてたお店、見に行こっか」
「……まだ終わりじゃねえのかよ……」
肯定の意味で笑顔を返す。二人で買物して、食事して、渋滞にハマるドライブだって。私にとっては全部、甘い時間だったりするんだよ。
(2015.04.05)
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