Thanks for your WEB-CLAP. 城島俊也【あなたのそばで】
春の夜闇。いつものデート、帰り際の車内。城島俊也は賭けに出た。
「これからの人生を、あなたと共に歩んでいけたら。そう思っています」
何の脈絡もなくそう切り出すと、彼女は助手席でぽかんと口を開けて目を丸くする。
「夢子さん。俺と結婚してください」
一世一代の大勝負。彼女が「はい」と頷くまで呼吸の仕方さえ忘れていたようで、細長い溜息が零れた。
「ありがとう、夢子さん」
「お礼を言うのは私の方です。……俊也さん、私……こんなにしあわせで、いいんでしょうか」
彼女は少し震えた声ではにかむように微笑い、そっと俯いた。
「この程度で満足してもらっては困ります。俺が夢子さんをもっと幸せにしますから」
桜吹雪が窓を叩く。まるで、新たな旅立ちを祝福するように。
「懐かしいもの見てるのね」
頭上から声が降ってきた途端、ことり、と小さな音が聞こえる。
アルバムから目を上げると、テーブルに二つ並んだコーヒーカップ。
隣に腰を下ろす妻へ「きみは変わらないな」と投げ掛けると、彼女はからからと笑い、写真の中に居る自分を指した。
「この頃と比べたらもうオバサンよ」
「俺だってオジサンだ」
あれからふたりで同じだけ、時を重ねてきたのだから。
アルバムを閉じると、コーヒーの豊かな薫りが鼻腔をくすぐる。苦味と深みが調和した、城島好みのブレンド。
「俊也さん。私はずっと、しあわせですよ」
はにかむように笑った夢子の手を握った。どうか――これからもずっと、あなたのそばで。
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「これからの人生を、あなたと共に歩んでいけたら。そう思っています」
何の脈絡もなくそう切り出すと、彼女は助手席でぽかんと口を開けて目を丸くする。
「夢子さん。俺と結婚してください」
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「ありがとう、夢子さん」
「お礼を言うのは私の方です。……俊也さん、私……こんなにしあわせで、いいんでしょうか」
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「この程度で満足してもらっては困ります。俺が夢子さんをもっと幸せにしますから」
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「懐かしいもの見てるのね」
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隣に腰を下ろす妻へ「きみは変わらないな」と投げ掛けると、彼女はからからと笑い、写真の中に居る自分を指した。
「この頃と比べたらもうオバサンよ」
「俺だってオジサンだ」
あれからふたりで同じだけ、時を重ねてきたのだから。
アルバムを閉じると、コーヒーの豊かな薫りが鼻腔をくすぐる。苦味と深みが調和した、城島好みのブレンド。
「俊也さん。私はずっと、しあわせですよ」
はにかむように笑った夢子の手を握った。どうか――これからもずっと、あなたのそばで。
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