Thanks for your WEB-CLAP. ―秋名― 池谷浩一郎・健二・武内樹




池谷「で、何か分かったのか?例の車について」

健二「いやー、それがちっとも。お手上げだよ」

樹 「情報通の健二先輩でもわかんないなんて、よっぽどですね」

健二「変なんだよな。誰もドライバーを見てないって」

池谷「……ホンモノの幽霊だったりしてな」

樹 「ちょっ――池谷先輩やめてくださいよ!トイレ行けなくなるじゃないですか!」

池谷「はは。悪い悪い」

健二「手掛かりが少な過ぎるんだよ。車種すら分からないってどういうことだ?」

池谷「もう存在自体疑わしくなってきたな」

健二「チームの奴らは絶対見た、って言うんだけどなぁ」

池谷「いつの間にか背後にいて、一瞬で抜いてくって……普通、車種くらいなら分かるだろうけど。おかしいよな」

健二「あー、ますます分かんなくなってきたよ」

樹 「それならオレらで捕まえましょーよ」

池谷「おいおい……簡単に言うなぁ、イツキ」

樹 「だって気になりませんか?」

池谷「そりゃ気にはなるけど。捕まえるったって、別にここ走ってるだけで悪いことしてるわけじゃないんだぞ」

樹 「それはまぁ、そうですけど……」

池谷「どうする?ココで死んだ奴だったら。お前も連れて行かれるかもな」

樹 「ひぃ!と、鳥肌立ちました!見てください!」

池谷「痛て、やめろよイツキ」

健二「一人で走ってるときしか出てこないみたいだし、もうしばらく待ってみるか」

池谷「待つって?」

健二「目撃者が増えれば手掛かりも増えるだろ。作戦立てるなら、それからでも遅くないと思うけど」

池谷「なるほど。それじゃ、しばらくは静観ってことで」

健二「見掛けたらオレに連絡するよう言ってくれ」

池谷「そうだな。イツキ、いざとなったら囮捜査でもするか?」

樹 「オレ一人じゃ怖いっす!」

池谷「うわッ抱きつくなよ、離せって」

健二「んじゃ、そろそろ行こうぜ」

池谷「ああ」

樹 「待っ、置いてかないでくださいよー!」



秋名山を後にするS13、180SX。それから少し遅れてAE85。

秋名をホームコースにする走り屋の間に噂が広がる。会いたいような、会いたくないような。幽霊か、人間か、その目的は?

まだ誰も、何も、知らない。