サプライズプレゼント


春休み。

バスケ部は今日も当たり前のように練習中。


私はいつものように、洋平たちと花道を冷やかしに体育館に来てる。

花道もリハビリから復活して、本格的にゲームにも加わって、カンも戻ってきた様子。

バスケが出来るのが嬉しくて仕方がないんだろうな、きっと。


そんなことを考えながら、ぼーっと花道をみていたら、隣の洋平が

「なあ、夢子、もうすぐ花道の誕生日だろ?なんかすンのか?」

と声をかけてきた。




誕生日、クリスマス、バレンタイン等々、イベント好きの私は、高校1年の間、何かあるごとに色々と企画し続けていた。

今では彼らもイベントがあると必ず夢子に声を掛けるようになるほど。


私はニヤリと笑って、「当然!サプライズ付きよん」と答えた。





1ヶ月程前、私は晴子ちゃんからキーホルダーを貰っていた。

しかも、晴子ちゃんのカバンにくっついていたもの。

クマか犬かタヌキかよくわからない、可愛いのか可愛くないのかもよくわからないキャラクターがくっついている。

このよくわからないキャラクターが、どうやら彼女のお気に入りらしい。
同じのをもう1つ使ってるの。お揃いよぅ。
と、彼女は言うが、正直キャラクターものが苦手な私。

ありがとうと受け取ったものの、どうしようかと思いあぐねていた。

休み時間、開いた手帳をぼんやり眺めつつ、とても使う気にならないキーホルダーをどうしようかと思案していると、誕生日の印が目に入る。

((!)もうすぐ花道の誕生日じゃない!晴子ちゃんから貰ったキーホルダーなら花道は絶対に喜ぶ!)
思い立ったら即行動!とばかりに、晴子ちゃんのクラスまで急ぐ。

無事に晴子ちゃんを見つけると、真っ直ぐに駆け寄った。

「晴子ちゃん、さっきのキーホルダーだけど、花道にあげてもいいかな?花道、好きなんだよね。」

(好きなのはキャラクターじゃなくて晴子ちゃんのことだけど)
と心の中で呟きつつ、聞いてみると、晴子ちゃんはあっさり「いいわよぅ」と答えた。

(色々深く勘繰らない子でよかった…)

「それでさ、もうひとつお願いがあるんだけど。」

なぁに?といった風に首を傾げる晴子ちゃん。

「もうすぐ花道の誕生日なの。晴子ちゃんも一緒にお祝いしてくんないかな?」

と、晴子ちゃんに聞いてみる。

「桜木くんの誕生日?いつなの?」
一緒にお祝いしたいわぁ、といつものほわんとした笑顔を返してくれた。





そして、花道の誕生日当日。

当然のように今日もバスケ部は練習中。

花道はいつもより更に気合いが入っている。

それもそのはず。


練習前に、綺麗にラッピングした例のキーホルダーを渡してある。

中身を見た瞬間、

「なんだこれは?この天才を祝う気がないのか?」
ふんぬーと投げ捨てようとしている。

私はニヤリと笑って

「それ、晴子ちゃんから貰ったキーホルダーよ。しかも、晴子ちゃんが使ってたもので、彼女とお揃いなのよ?」

それでもいいなら投げ捨てれば?と言って花道を見れば、目を輝かせて
夢子、でかした!」
何て言うものだから、その態度の変わりように笑ってしまう。

こんな嬉しそうな花道を見れたなら、それでいいか。

と微笑みつつ、

「今日はウチで、誕生日パーティーするからね。晴子ちゃんも呼んでるから、練習が終わったら2人で一緒においで?」

私は洋平たちと先に帰って準備してるから。

「憧れの、"好きな子と登下校"、私からのプレゼントよ。」

と言うと、花道は、ぎゅーっと私を抱き締めて、

夢子サンキューな!やっぱりオマエはイイヤツだ!」

と、眩しいほど最高の笑顔を返してくれたのだった。



[サプライズプレゼント]END.
writing."Aprilfool" mimi様
up date.2014/05/26